すっごく久し振りになったけど、ずっーと飽きることなく、読書楽しんでおります♪
でもブログに書くのがすごく久々になっちゃった!
でも、このBOOKレビューシリーズを楽しみにしていてくれる読者の方もいてくれてすごく嬉しい!
今日は、本屋大賞受賞作でもある名作、三浦しをんさんの「舟を編む」について語ります。
読了:「舟を編む」三浦しをん(著)
あらすじ(BOOKレビューより)
玄武書房に勤める馬締光也。営業部では変人として持て余されていたが、人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、辞書編集部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく―。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか。
感想
辞書作りなんて今まで考えたこともなかった、どうやって辞書が作られていくか、言葉一つ一つへの向き合い方、私にとって全てが新鮮で学びの連続だったな。
そんな何も知らない私でも読み進めていくうちに、この編集部のメンバーの一員になったように思えて、辞書作りの過程で浮上するたくさんの問題も、どうにか解決できるようにと私まで力が入った。チームで一つの仕事を成し遂げることの素晴らしさ、そのチームの中にはいろいろな考えを持った人がいていいということも再認識。
そして一番印象的だったことは、海外の辞書と日本の辞書の比較が書いてあったところから。
これは海外生活が長い私だから強く響いたことかもしれないけど、
海外では自国語の辞書を公や大学、権利者などが主導し公のお金が投入されていることが多いとのこと。(オックスフォード○○辞典とか)
言語は民族のアイデンティティの一つであり、国をまとめるためにはある程度、言語の統一と掌握が必要だからだと考えられているからだとか。
それに比べて日本は公的機関が主導して編んだ(作られた)国語辞典は皆無だということ。
公金が投入されたら、内容に口出しされる可能性もあるし、生きた思いを伝えるツールとしてではなく、権威づけと支配の道具として言葉が位置づけられるという懸念要素があるから、自国語の辞書を民間が作れることは幸運なことであり誇るべきこと。
↑ここが本当に強烈的だった。
言葉の本質を考えさせられたな。
以前読んだ、鴻巣友季子さんの「翻訳教室はじめの一歩」という作品にも、言葉とアイデンティティについて似たようなことが書いてあってなんか繋がった!
その時の記事
そして、大きな意味を持つ、このタイトルについて
「辞書は言葉の海を渡る舟だ。海を渡るにふさわさしい舟を編む」
そのふさわしい舟というのは、多くの人が安心して乗れるような舟であり、さびしさに打ちひしがれそうな旅の日々にも心強い相棒になるような舟。
と記してある。改定などを繰り返す終わりなき辞書作り、私たちが何気なく調べるその一つ一つの言葉の奥には、情熱を持った方々が一生懸命選び抜いたものなんだね。
さすが本屋大賞受賞作!これこそ書店員が選ぶ本として納得!
お仕事小説が好きな理由の一つに、あまり自分に馴染みのない職業についても、その本に没頭している間、自分をその世界に連れてってくれるから。
生きているうちにたくさんの職業を経験することはなかなか難しいけど、本で気軽に味わえるのが楽しい。
これまで読んだお仕事小説でやっぱり好きな作品は、こちらも名作、原田マハさんの「本日はお日柄もよく」もすごく好きでした。
こちらです。
長くなってしまった!
それではまた読書ログも書いていくね!
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