いつもキンドルペーパーホワイトで日本の書籍を楽しんでいる私。
ただこの「ツバキ文具店」は電子化されておらず、ずっとずっと読みたかった作品の一つ。この前日本に一時帰国して本屋さんを訪ね、直線距離で素早く足を進め探したこちらの作品。
日本からアメリカに帰るフライトで読み始めてもう2回再読済み。
これ以上私にピッタリな物語はこの先現れるのかな?というほど、ドストライクな作品。いってみましょう!!
ツバキ文具店 小川 糸(著)
あらすじ(BOOKレビューより)
ラブレター、絶縁状、天国からの手紙…。鎌倉で代書屋を営む鳩子の元には、今日も風変わりな依頼が舞い込む。伝えられなかった大切な人への想い。あなたに代わって、お届けします。
感想
字について、文具の奥深さについて、家族の事、手紙のこと、自然豊かな優しい美しい描写の数々。全てにおいて私の好きなテイスト。
主人公のポッポちゃん(鳩子という名前からポッポちゃん)の文房具へのプロとしての知識やこだわりが特に響いた。また、字へのこだわり。
そして代書屋という仕事柄の依頼人への寄り添い方。
特筆を欠くことのできないバーバラ夫人との素敵な関係。
先代への思いや縁のある者同士が助け合い、補い合っていくという世の中や社会への見方が駐在妻をしている私には余計響いた。
鎌倉が舞台になっていて、行きたくなったな♪
電子ではなく、紙の本で読んでもらいたいという思いが(電子化されていないから勝手にそう思っている)伝わってきて、納得。
見開き左下の角にはパラパラマンガならぬパラパライラストが施されており、ほっこり。
続編の「キラキラ共和国」ももちろん購入済みです。
好きな一節
※字について
「ただ、形が整っているだけが、美しい字ではないのだ。そうではなく、温もりがあり、微笑みがあり、安らぎがあり、落ち着きがある。そういう字が、私は個人的に好きだった。」
「字とは人生そのものである。」
※自然の美しい描写について
空の青さを
「これ以上の青にはなりようがないというくらい」
「真っ青なシーツを広げたように雲ひとつ見当たらない」
元旦の風を
「考えていると、海の方から風が流れてくる。前髪がワルツを踊った。」
かわいくてポッポちゃんらしい表現ばかり。
風がふくという一瞬の出来事からワルツまで連想できる小川糸さん。
私が気にしていないだけで自然にもいろいろな動きや表情があるんだね。
読了し、すぐに再読しようと思う作品ってそんなに出会わなかったけど、この子は別格。ポッポちゃんの世界観から抜け出せずにいたけどもうこのあと2冊も読了してるのでまた読書レビュー書きます♪
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